医師も患者も不安な病院での当直勤務とER(救急救命室)の仕組み

どの業界でもそうですが、若い頃はさまざまな嫌なことを経験しますが、医療業界に身を置く医師にとってその際たるものは当直業務です。当直をする医師(特に研修医や若い世代)が、困るのは予想もつかない夜間の救急患者です。当直のあり方は病院によって違い、大学病院だと内科や外科といった医局単位で当直することが多いです。

しかし、比較的小さな市中の公的病院や民間病院となると、診療科単位ではなく、たった一人で宿直することも珍しくありません。多くは救急外来や夜間外来に近い場所に当直室がこしらえてあり、ベッドと最小限の設備が整えらられているだけの部屋で朝まで番をします。

夜間はどの病院も通常業務が終わっているので、若い当直医たちは、難しい症例の患者さんが来ないことを祈るばかりです。たいていは怪我や風邪、腰痛といった軽度の症例ですが、重症な救急患者が運ばれてきて、とてつもない医療技術が要求されるケースもあります。

救急の場合、はじめから病院で診察を受けたいという患者意識や、一次(外来で対応可能)、二次(入院や手術が必要)、三次(生命にかかわる)という救急の分類を患者側や救急側が行うのは困難であるという視点、また、地方などでは周囲に一次・二次救急を担う医療機関が不足しているなどの理由からER(Emergency Room)を設置する病院が出てきました。

ERは北米型ERとも言われ、アメリカのテレビドラマでも有名になったように、主として北米の病院で行なわれている救急システムです。ERは原則として、救急でが依頼する患者を24時間365日体制で受け入れています。

患者は、医師などによって重症度別に優先順位を付けられ(トリアージ)、軽度のケガや風邪などの場合はERや救急診療科で治療を受け、重篤な患者の場合は救命救急センターで手術を受けるなど、状態に応じた適切な処置を受けることができます。

Copyright© sokendaisymposium2012-ac.jp